SCSS(エスシーエスエス)は、Sass(サス)という言語の書き方(記法)の一つです。
今回は、Web制作の現場で標準的に使われている、その「SCSS」について解説します。
1. SCSSの特徴
SCSSは「CSSのスーパーセット(上位互換)」と呼ばれており、普通のCSSの書き方をそのまま使えるため、
初心者でも学習コストが低いのが特徴です。
ただし、そのままではブラウザが直接読めないので、「コンパイル(CSSへの変換)」という作業が必要だったりと、
扱いはちょっとした慣れが必要です。
2. SCSSを使うメリット
普通のCSSで書くよりも、圧倒的に記述量が減り・管理が楽になります。
具体的には以下の3つのメリットがあります。
①入れ子(ネスト)で書ける
親要素の中に子要素を記述できるため、HTMLの構造と似た形で直感的に書けます。
クラス名を何度も繰り返して書く必要がなくなります。
【SCSSの記述】
nav {
background-color: #333;
ul {
margin: 0;
li {
display: inline-block;
}
}
}
【CSSに変換(コンパイル)された後】
nav { background-color: #333; }
nav ul { margin: 0; }
nav ul li { display: inline-block; }
②変数が使える
再利用したい値(色、フォントサイズ、マージンなど)を変数として定義し、スタイルシート全体で使い回すことができます。
修正が入った時も、変数の値を一箇所変えるだけで済むので非常に楽です。
③パーツごとにファイルを分割できる
「ヘッダー用」「ボタン用」「リセット用」など、ファイルを細かく分けて管理し、最終的に一つのCSSファイルにまとめる事ができます。
これにより、大規模なサイトでもコードがごちゃごちゃにならず、スッキリ管理できます。
3. SASSとSCSSの違い
どちらもSassというCSSプリプロセッサですが、コードの記述法の違いになります。 違いは、以下のようになっています。
・SCSS記法:{ }や;を使う、CSSに近い書き方(現在の主流はコチラ)
・SASS記法:{ }や;を省略し、インデントだけで書く古い方法
上記の通り、今の制作現場で「Sass」といえば、一般的にSCSSが使われています。
今回のまとめ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SCSSとは | CSSと同じ感覚で書けるSassの記法(主流) |
| メリット | ネストや変数、ファイル分割ができ、効率的に書ける |
| SASSとの違い | SCSSは「カッコあり」、SASS記法は「カッコなし」 |
| 注意点 | ブラウザで表示するために「コンパイル」が必要 |